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執筆者の写真Yutaka Takisawa

スレート屋根のメンテナンス方法 アスファルトシングルのオークリッジでカバー工法 施工前と施工後の写真で比較 施工の流れも説明します 盛岡市

更新日:2023年3月26日

屋根葺き替えの方法として、カバー工法があります。この方法は、既存の屋根材をそのまま利用しながら、新しい屋根材を重ね葺きすることで、住宅の耐久性や防水性を向上させることができます。今回は、OWENS CORNING社アスファルトシングルの「オークリッジ」を使用した屋根カバー工法の施工事例をご紹介します。寄棟屋根の5寸勾配で、盛岡市のお客様です。



施工前の状況

施工前の状況は、平形スレート屋根のコロニアルがボロボロの状況でした。スレート屋根は、古くなると割れたり塗膜が劣化してきます。割れたままにしておくと雨漏が発生してしまい住宅の耐久性に問題が生じることがあります。このくらいボロボロになると塗装も難しくなってきます。塗装することはできますが、ペンキがすぐ剥がれてしまいます。このため、屋根のカバー工法を検討することになりました。

ドローンで上空から撮影 屋根全体が劣化しているのが分かります。

今回のコロニアルは、2004年より前に施工されたものですのでアスベストが含まれていました。アスベストは体に有害ですので、撤去せずに上からかぶせることで人体にとって安全であり、施工日数の短縮、そして剥がさないことで廃材処理がかからずコスト削減にもつながります。2004年以前に施工されたコロニアルはアスベスト石綿が入っていますので取扱いには注意が必要です。


施工後の状況



アスファルトシングルのオークリッジを重ね葺きした状況です。アスファルトシングルは、耐久性・耐風性・防水性に優れていて、また軽量ですのでカバー工法に最適な屋根材です。施工後の屋根の外観はとても美しく、陰影を出すデコボコとランダムに施された砂が独特な濃淡を出しています。ガラッと見た目が変わり、住宅全体のイメージアップにもつながりました。




オークリッジ カバー工法の施工の流れ

カバー工法の施工の流れを紹介します。

まずは既存の雪止めや棟換気を解体します。

次に防水紙となる改質アスファルトルーフィングを張ります。

コロニアルにタッカーでステープル止めはできないので、板金の板を使いながら釘止めします。釘打ち機械で32mmのコイルネイルを使用します。


次に軒先水切りを付けて、端部の保護と雨どいに雨水が流れるようにします。


オークリッジ本体を荷揚げします。

オークリッジはピンク色のビニールに梱包されています。

1ケースで16枚入りの27kgくらいです。今回は128㎡くらいでしたので60ケース使用しました。オークリッジの重さは全部で約1.7t程度です。瓦屋根の場合は約6.0tくらいになりますので、かなり軽量ということが分かります。


オークリッジ本体を施工していきます。

45mmのコイルネイルを4本打ちしていきます。

45mmの釘がコロニアルを貫通できないことがありますので

釘の打ち損じ部分はシングルセメントを塗布しておきます。


本体を葺いたら、棟材のヒップアンドリッジを施工します。

ヒップアンドリッジも1枚あたり釘4本打ちしていきます。


既存の雪止めネットを付け直します。

雪止金具は21crステンレス製ですので錆びる心配はございません。

アスファルトシングルはスレート屋根より雪止め効果が高いので、雪止金具は910mmピッチで取付ければ雪は確実に止まります。ただし7寸勾配以上の傾斜が強い屋根は注意が必要です。



棟換気を取付けます。

オークリッジに最適な棟換気のリッジロールを付けました。

棟換気は重要な資材で、小屋裏の換気をすることにより結露やカビそして湿気を防いでくれます。棟換気については他の工事事例で紹介していますので確認してみてください。


工事も終盤です。

最後に一度外しておいたアンテナを復旧します。

ステンレス針金#16で4点支持をしてがっちりと固定します。

強風が吹いても倒れることがないように固定していますので心配ありません。

これでカバー工法の施工完了です。


太陽の当たる角度によって色の見え方が違ってきます。

今回はブラウンウッド色です。

ブラウンウッド色は私たちの事務所でも採用しているので

おすすめのカラーです!


1階の壁際部分です。

雨押えを取付けて雨仕舞よく納めます。












アスファルトシングル オークリッジについて


オークリッジはアメリカのオーウェンスコーニング社は世界的な建材メーカーさんの商品で安心と信頼ある屋根材です。私はこのオークリッジの見た目がとても好きです。

アスファルトシングルのシングルとは木をスライスして幾重にも重ね張りした、木製の屋根のことで日本では「こけら葺き」なんて言ったりもします。

この「こけら葺き」をアスファルトで表現して成型された屋根材をアスファルトシングルと呼びます。アメリカやカナダでは住宅の約70%がオークリッジを含むアスファルトシングル屋根で、最もスタンダードな屋根材です。

価格も手ごろで、施工性にも優れ、一人でも作業できるサイズ、住宅密集地などでも扱いやすく、部分修理などの手直しが容易で、アメリカのDIYカルチャーに適した屋根材となっています。日本で昔からあったアスファルトシングルより耐久性・耐風性に優れ、屋根材としての機能が格段と向上しています。

OWENS CORNINGさんはアスファルトシングル屋根のトップメーカーの一つで、ピンクパンサーをモチーフしたブランディングを行っていることも有名です。

多彩なカラーバリエーションも用意されているため、屋根の色調を外壁に合わせて選ぶことができます。日本ではカラーは7色展開です。

  • オニキスブラック

  • ブラウンウッド

  • デザートタン

  • エステートグレー

  • シャトーグリーン

  • テラコッタブレンド

  • ハーバーブルー



雨どい交換工事

オークリッジのカバー工法が終わったら、雨どいの交換工事です。

今回新しくした雨どいは樹脂製でdスロンのRV105シンチャ色です。



ポリカのブラケット5寸勾配用を450mmピッチで

樋受けビス32mmで固定していきます。

角型軒といのスタンダードでシンプルでスタイリッシュな印象です。



竪といも角型でオークリッジにマッチした洋風な雨どいです。




施工記録書の作成

施工完了後はお客様に施工記録書を作成して確認して頂きます。

写真をメールで送りますので、データで確認することができます。

もちろんプリントアウトして欲しいと希望あれば対応します。



これで屋根へ上がれないお客様も屋根の状況を確認できますので

安心して工事を任せていただけると思います。




屋根の葺き替えは、住宅の耐久性や防水性に大きく影響する重要な工事です。今回は、OWENS CORNING社のオークリッジを使用した屋根カバー工法の施工事例をご紹介しました。カバー工法は、既存の屋根材をそのまま利用しながら、住宅の耐久性や防水性を向上させることができます。また、適切な施工業者や高品質な屋根材を選ぶことで、快適な住まいを実現することができます。今回ご紹介した事例を参考に、屋根の葺き替えを検討している方は、ぜひカバー工法についても検討してみてください。



工事代金の目安

オークリッジのカバー工法の費用は、屋根の大きさや形状などによって異なります。

今回の工事の代金の一例です。


【工事内容】

・古いスレート屋根からアスファルトシングルを重ねる工事

・雨どいの交換

・雪止めの設置

・屋根の面積:130㎡ 寄棟屋根


【工事代金の目安】

150万円から180万円(消費税別です)


廃材処理費や仮設足場を含む全てが代金に含まれております。

もし古いコロニアルを解体して処分していた場合、約50万円は加算されますので、カバー工法を選択した方がリーズナブルで済みます。


上記はあくまでも一例です。材料価格の高騰が続いておりますので4月からはまた値上がりすることになりそうです。屋根の状況によっては高額になる場合もあります。お客様の予算に合わせたプランをご提案いたします。また、工事の前には必ず見積りを提出いたしますので、安心してご依頼いただけます。




私たちの葺き替え工事は、外注業者を通さないことにより中間マージンがかからない為、リーズナブルな価格で提供できます。

また、工事後のアフターケアも充実しており、お客様に安心してご利用いただけるよう心がけております。


盛岡市のA様、この度は誠にありがとうございました!





以上、瀧澤屋根工業タキサワヤネコウギョウ 

代表のタキサワでした。








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