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執筆者の写真Yutaka Takisawa

屋根の修理事例 雫石町 瓦屋根の部分張り替え 工事の流れと費用の目安


50年以上もの時を経た瓦屋根のお客様から、雨漏りしているので屋根を修理してほしいと依頼がありました。歴史を感じさせる美しい瓦屋根は、地域文化や風景にも貢献している貴重な資産です。しかし、長い年月が経過するにつれて、何らかの形で劣化やダメージが生じる可能性も高くなります。今回のケースでは、部屋内で雨漏りが発生しており、お客様からは雨漏りしている部分だけを張り替え(葺き替え)を希望されました。必ずしも全体を張り替え(葺き替え)する必要はありません。特定の破損箇所だけを対象にすることで、費用を抑えつつ効果的な修理が可能です。

それでは、具体的な工事の流れと費用について詳しくご紹介いたします。

施工完了後の写真



目次

  1. 瓦屋根から雨漏りしている原因

  2. 部分張り替えの工事の流れ

  3. 工事完了後の写真

  4. こだわりのポイント

  5. 費用の目安

  6. まとめ


瓦屋根から雨漏りしている原因

瓦がヨレていて、隙間だらけでした。

また、桟瓦が雪の重みなどでズレて隙間だらけになっている状況でした。

この隙間から、雨水が入っていきます。


この段差部分あたりが特に雨漏りしている所です。ここらへんを解体します。


桟瓦が風化している所もありました。

以前の瓦製造技術では、焼成温度が一定でなかったため、瓦に歪みが生じやすかったです。しかし、現代では焼き上げる温度が約1000くらいと一定に管理されているため、歪みやヨレが大幅に減っています。このような状況は、古い瓦には避けられない特性とも言えますね。



屋根の修理事例 部分張り替えの工事の流れ
  1. 現場調査:まずは、屋根の状態をしっかりと調査します。どの瓦が割れているのか、ズレているのか、雨漏りしている場所を確認。

  2. 見積り:どの部分をどのように張り替えるかの計画を立て、見積書を提出します。見積書の作成は最短で翌日の提出可能。

  3. 工事注文:工事内容をご理解頂いて上で工事を注文して頂きます。工事日程や色を確認して進めていきます。

  4. 作業開始:屋根の部分的に古い瓦屋根を剥がします。瓦桟木まで剥がします。

  5. 下葺き:下葺き材の防水紙は張り、瓦桟を取付けます。

  6. 新しい瓦を並べる:新しい桟瓦、軒瓦を並べていきます(葺いていきます)。

  7. 雨樋脱着:段差部分のモルタル雨押え板金の交換のために、雨樋を脱着します。

  8. 割れている桟瓦修理:屋根全体を確認して割れている瓦を探して交換します。

  9. 工事完了:工事内容のチェック、そうじ片付けをして、請求書を作成します。



作業開始

古い瓦を剥がしていきます。

驚いたことに瓦の中には、木の葉っぱがたくさん入ってありました。

雨が侵入した跡がいたるところにあるのも確認できました。

瓦のヨレがひどくて隙間だらけだったため、木の葉っぱが侵入しやすかったようです。


防水紙を張ります。今回は新世代の防水紙であります、ルーフラミテクトを採用しました。

ルーフラミテクトについてセーレンさんのホームページ↓




瓦桟を取付けます。

プラスチック製軒先面戸も取付けます。


瓦を葺いていきます。

桟瓦はステンレスのスクリューリング釘55mmで止めています。



工事完了後の写真




こだわりのポイント

今回の瓦屋根のこだわりは2つ


1.瓦800枚を切り詰め

古い桟瓦の寸法が今の物とは違い、一苦労しました。

現状の瓦の働き寸法は237mm-266mmですが

この古い瓦の働き寸法は233mm-267mmくらいでした。

寸法が違うため瓦が納まらないので、約800枚の瓦をサンダーで切り詰めました。

二人で一日かけて切り詰めたこだわりの瓦屋根です。



2.溝付きの樹脂製瓦桟

瓦桟は、溝付きになっていて、水が瓦の中に入った場合に軒先まで流れて行くような構造になっています。また、木製ではなく樹脂製で耐久性があります。見えない所で屋根の耐久性を向上しています。樹脂製の瓦桟は、大手ハウスメーカーでも採用されています。




費用の目安

今回の瓦屋根の部分張り替え(葺き替え)

約60㎡ 4寸勾配

70万円~80万円(税別)

瓦の処分費は含まれておりません。


屋根形状や付帯工事によって価格が変わりますので、詳しく価格はお見積り致します。




まとめ

今回の記事では、50年以上経過した瓦屋根の部分張り替え(葺き替え)工事について詳しく紹介しました。長い年月が経過すると、瓦屋根も劣化やダメージが避けられないものです。特に、古い瓦は製造技術の違いから歪みやヨレが生じやすいという特性があります。しかし、部分的な張り替えによって、これらの問題を効率よく解決することが可能です。

具体的な工事の流れから費用まで、透明性のある情報提供を心がけました。特に、瓦の切り詰めや樹脂製の瓦桟の採用など、細部にわたるこだわりがこの工事の品質を高めています。費用も約70万円~80万円(税別)と、全体を張り替えるよりも大幅にコストを抑えることができました。

このような部分張り替え工事は、歴史と風格を感じさせる古い瓦屋根を維持しつつ、現代の技術でしっかりと補修する最良の方法と言えるでしょう。瓦屋根はただの屋根材ではなく、地域文化や風景に貢献する貴重な資産です。その価値を理解し、適切な修理方法を選ぶことで、次世代にもその美しさと機能性をしっかりと引き継いでいくことが可能です。


雫石町の多雪積雪地ですので、積雪地に適した工事を心掛けています。

瓦屋根以外に、横葺き、瓦棒葺き屋根、立平葺きなど板金屋根も得意としております。


何か疑問や質問がありましたら、お気軽にお問い合わせください。この記事が、瓦屋根の部分張り替え工事に関する有益な情報となれば幸いです。




お見積り・ご相談は無料




宜しくお願い致します。


代表 タキサワ





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